『1988』(イチキュウハチハチ)は、日本のロックバンド・Rockon Social Clubの1枚目のオリジナル・アルバム。2023年3月1日にTOKYO RECORDSよりCDとして発売され、同年3月21日には全曲のデジタル配信が開始された。さらに、同年7月26日にはアナログ盤LPが生産限定でリリースされた。品番はCDがTYOR-1007。
本作は、2022年に復活したバンド・男闘呼組の元メンバーを中心に結成されたRockon Social Clubによる初のスタジオ・アルバムであり、プロデュースは寺岡呼人が担当した。
背景
アルバムタイトル『1988』は、男闘呼組のデビュー年である1988年に由来しており、プロデューサーの寺岡呼人も同年に音楽活動を開始している。さらに、男闘呼組の復活公演のタイトル「男闘呼組 1988」とも一致している。
本作には、成田昭次、高橋和也、岡本健一、前田耕陽の4名全員がレコーディングに参加しており、事実上、男闘呼組の全メンバーによる約30年ぶりの共同作品となった。
アルバムは、2023年3月より開始されたZeppツアーの開催時期にあわせて発表され、「永遠にROCK ON→Keep Rocking」というテーマのもとで制作された。音楽的には、ギターロックを基盤とするスタイルで構成されている。
ジャケット写真およびアートディレクションは信藤三雄が手がけた。ジャケットには、男闘呼組の再始動時に撮影されたアーティスト写真がシルエット風に使用されている。
収録曲
全作詞・作曲・編曲:寺岡呼人(特記除く)
- Rockon Social Club
- Foxy Lady
- Rolling Thunder Baby
作曲:寺岡呼人・成田昭次 - パズル
- ただいま
コーラスアレンジ:町支寛二 - 翼をもがれた野郎ども
- ヨッテタカッテ
作曲:寺岡呼人・成田昭次 - Love Again
作詞:寺岡呼人・西野蒟蒻 作曲:寺岡呼人・成田昭次 - Te querrá mucho
高橋和也ソロ - 遥か未来の君へ
KURE「5-56」CMソング
制作
2023年5月6日放送のTOKYO FM『KURE 5-56 Presents ROCKON TIMES』では、寺岡呼人と高橋和也が番組内でアルバム制作の背景について語った。
寺岡は、男闘呼組の復活ライブをきっかけに、現代的なバンドサウンドを構想するようになったと述べており、当初は焼き直しではなく、メンバーが生き生きと活動できる新たなバンド像を意識していたという。
番組内ではまた、収録曲「Rolling Thunder Baby」が、寺岡と成田による2小節程度のリフから発展した楽曲であり、制作当初に複数の短いリフを作成し、その中から選ばれたことが明かされた。
レコーディングは急ピッチで進行し、1日で9曲分のボーカルと演奏が行われた。俳優としても活動する高橋は、自身のパートをあらかじめ構築された役割として捉えており、ステージ上でのシャウトや動きも事前に意識した演出であると語っている。このような表現手法は、他のロックバンドには見られない独自の個性として寺岡からも評価されている。
収録曲「パズル」は、成田昭次が過去にソロで発表していた楽曲であり、2022年7月16日放送のTBS系『音楽の日』男闘呼組の再始動および12月30日放送の『第64回 輝く!日本レコード大賞』(男闘呼組が特別賞受賞)で演奏された。Rockon Social Club名義で男闘呼組メンバー全員参加されたバージョンを初音源化となった本曲は、2023年2月24日にシングルとして先行配信された。
その他、「遥か未来の君へ」は呉工業「KURE 5-56」のCMソングに起用され、2023年2月17日より配信された。「翼をもがれた野郎ども」は3月8日、「Rolling Thunder Baby」は3月17日に配信シングルとしてリリースされた。
「ただいま」は、町支寛二がコーラスアレンジを担当した楽曲で、ドゥワップ的要素を含む構成が特徴となっている。この楽曲では、男闘呼組4人による多声ハーモニーが取り入れられており、かつて彼らが担当したCMソング「STAY WITH ME」などに見られるコーラスワークの流れを汲んでいるとされる。Rockon Social Clubにおけるコーラス表現の継承と進化を示す例としても評価されている。
リリース形態
- CD盤:2023年3月1日発売(TYOR-1007)
- 配信リリース:2023年3月21日より全収録曲の配信開始
- アナログ盤LP:2023年7月26日発売(生産限定盤)
アナログ盤は、大判ジャケットを使用した限定生産仕様であり、CDや配信とは異なる音質での再生が可能とされている。
クレジット
E Guitar: Shoji Narita (#1 – #4, #6 – #10), Kenichi Okamoto (#1 – #4, #6 – #10)
Bass: Kazuya Takahashi (#1 – #4, #6 – #10)
Keyboard: Koyo Maeda (#1 – #4, #6 – #10) / Devin Kinoshita (#8, #9)
Drums: Hideki Aoyama (#1 – #4, #6 – #10)
Tenor Sax & Baritone Sax: Ryoji Anbara (#2, #9)
Strings: Daisuke Kadowaki Strings (#4)
Chorus Arrangement: Kanji Choshi (#5)
Other Instruments: Yohito Teraoka (#1 – #4, #6 – #10)
E Guitar Solo Arrangement: Masahiro Inaba (#8)
Rockon Social Club
Produced by Yohito Teraoka
Shoji Narita
Kazuya Takahashi
Kenichi Okamoto
Koyo Maeda
and
Hideki Aoyama
and more…
Recorded & Mixed by Yoshihide Mikami
Recorded at CRY BABY STUDIO / VICTOR STUDIO
Mastering by Mitsuyasu Abe (Sony Music Studios Tokyo)
A&R: Masashi Ochi, Yusei Yajima (TOKYO RECORDS)
Promotion Planner: Yoshimasa “Yoshie” Sekiya (TOKYO RECORDS)
Art Direction & Photography: Mitsuo Shindo
Hair & Make: Takahiro Hashimoto (SHIMA)
Styling: Keisuke Baba
Jacket Design: Santin Aki
Executive Producer: Hiroto “TANNY” Tanigawa (TOKYO RECORDS)
Special Thanks:
ALPHA AGENCY / Johnny & Associates, Inc. / Team54 Co.,Ltd
LIVE FORWARD CO.,LTD.
R.I.P Mitsuo Shindo